自然と野生(natural/wild)〜ドメーヌ・タカヒコを訪ねて

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この数年、山や川を相手に仕事をする方や農作物を育成する方にお会いする機会が増えています。その中で「自分自身は自然とどう関わりたいのだろう?」という問いが生まれていたのですが、曽我貴彦さんからお聞きした話は大きなヒントになりました。

貴彦さんは、北海道の余市でブドウを育てワインを醸造する「ドメーヌ・タカヒコ」のオーナー。農夫でなければ造れない自然なワイン造りを家族で始めて3年。4.6ヘクタールの農園に、7千本以上のピノ・ノワールが育っています。

 ドメーヌ・タカヒコ http://www.takahiko.co.jp

土や風土、人や歴史が奏でるテロワールを大事にしていることや、規模を拡大せずに家族で持続可能な農園規模にこだわっていること、ブドウの本来の力を生かす自然な醸造にこだわっていることなど、共感ポイントがたくさんありました。

なかでも農法に対するスタンスというか実践方針が、お〜、なるほど〜、という感じでした。

農園を始めた頃は、できるだけ余分な人の手をかけずに作物の本来の力で育てる自然農法で育成しようと、雑草を刈らずにそのままにしていたそうなのですが、ふと、これを見た近隣の農家の方はこれを真似したいと思うだろうか?と思い、雑草を最低限刈るようにしたのだそうです。

貴彦さんは一人で理想の自然農を実践するよりも、それに近い形が近隣の農家の方や次代の子どもたちに広がっていってほしくて、そのためには「真似したい」と思われる形である必要があると。

すごく自然体だなぁと感じました。自分もそんな風に自然と関わっていきたいなぁとも。

そして自分の中では「自然」の定義が二つあることに気付きました。

一つは人間を含めない自然。野生。

もう一つは人間を含めた自然。100%野生のままなのではなく、そこに人間も入れてもらって、お互いが心地よくいられる状態。排除ではなく共存。

自分の場合は、「ワイルドだろ〜?」よりも手前の、もう少し人間よりのところに、心地よいポイントがありそうです。

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